占い師・真木あかりのブログ

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2021年3月13日、うお座新月。限りない優しさをたたえた、フィナーレの新月。

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 2021年3月13日、うお座新月が起こります。折しもうお座には、愛と美の星・金星と、インスピレーションの星・海王星が巡り、とても優しい重なりを作っています。そこに巡る新月ということで、4つの星々がそれぞれの力を、ふわりと発揮していくのでしょう。うお座、そしてさらに海王星がハバをきかせていることで、今回の新月はダイレクトに精神的なテーマにスポットライトが当たります。理屈よりも、現実よりも、心ファーストでいきましょう。

 

さて、新月の日は「はじまりのとき」で、うお座は12星座のラストです。ラストの星座で起こる始まりということで、締めくくりをして次にいく、“予感”めいたものを感じる人もいるのかもしれません。自分の本心と向き合いながら、「頑張ってきたね」「よくやったね」と、ねぎらってあげるような時間を持つのもいいでしょう。自分は自分の、一番近くにいる味方です。嬉しいときも、凹んだときも、何があってもどうにかやってきた偉い自分を、しっかり褒めていたわってやりましょう。そのマインドセットで本心と向き合えば、次のおひつじ座新月、はじまりオブはじまりみたいな新月でも、しっかりとスタートダッシュが切れるのです。

 

本心、というと「またかよ」と思われる方も多いでしょうか。占い好きな方であれば、いろんなところで「本心を見つめて」とか「本心に従って」などという言葉を見る人生を送って来られたかと思います。私もたくさん書きました(おまえもか)。そのたびに見つめてみるわけですが、ようわからんわけです。本心は、自分が一番わかっているようで意外と知らない。そのうち見つめろと言われるだけで盗んだバイクで走り出したい気分になる●十五の夜なわけですが、どんな感情も善悪をつけずに、見つめてみることが大事なのかなと思います。

たとえば石川啄木の歌集『一握の砂』にはこんな短歌が収録されています。

一度でも我に頭を下げさせし
人みな死ねと
いのりてしこと

まあ待て落ち着け、どうした啄木。あの「ぢっと手を見る」的な君はどこへ行ったのか。まあ清貧歌人のイメージがありつつも数々のクズエピソードを持つ彼です、彼なりにいろいろあったのでしょう。何も歌で残さなくてもいいのではとは思いますが歌人だしな。歌人枡野浩一さんはこの一首を「一度でも俺に頭を下げさせたやつら全員死にますように」とパンチのきいた現代語訳をしている(『石川くん』集英社文庫 より)のですが、本心ってこのくらい「まあ待て落ち着け」的なものも、認めてみることが大事だったりします。「皆が幸せでありますように」等、美しいことだけが本心でなくていい。出てくる感情を全部、あってOKとしてみることで「そんな嫌な思いをしたのに頑張ったなあ、自分。次はこうしていこう」などと、次への見通しもついてきます。唇を噛み締めるほどに屈辱的だったこと、辛かったことをなかったことにして、美しい心ばかり見つけようとしたら、それこそ上滑りな見通ししかつかないわけです。

まあ世の中の大半の人は私のように「あいつの家のトイレというトイレが全部詰まりますように」などと鬱々とした思いを抱えているわけではないと思います。嬉しく楽しく希望に満ちた本心もたくさんあるのでしょう。どんなものも、善悪をジャッジせずに認めてあげましょう。自分が必死で頑張ってきたからこその感情なのです。何があっても、どんな日でも、自分は自分をさぼってこなかったのですから。本心を見つめるって、そういうことです。少なくとも2021年春の私は、そんなふうに考えています。

 

うお座新月は、深い精神性をもって自分や他人を許し、癒やしてくれます。人に共感し、優しく包み込んであげられる力を授けてくれます。癒やしたり癒やされたり、救ったり救われたり。それを可能にするのも、おひつじ座から始まる12星座の物語を、酸いも甘いも噛み分けて生ききった自分がいるから、なのですよね。今回はそこに、愛が伴う人も多いだろうと思います。

 

いろいろあった1年でした。どなたにとっても、きっと。だからこの新月に、自分やまわりの人を優しく受容して、「明日からもまた、自分をやっていこう」と思えたら素敵です。きっとそこには、次へ向かう希望も芽生え始めているはずです。

 

どなたも、それぞれに、よい新月にしていかれますように。

 

 

さて、つい出来心で石川啄木のブラック短歌に脱線した結果、なんだか長くなってしまったので、ふたご座火星も含めた新月読みについてはココロニプロロさんで書いたコラムをご紹介します。もしご興味がありましたら、こちらもご参照ください。

3月13日の新月~3月21日の上弦の月【真木あかりのムーンバイオリズム占い】 | 恋愛・占いのココロニプロロ

 

(近況)

今週は打ち合わせと取材がたくさん入り、久々に生身のニンゲンと話したりZoomでやりとりしたりしていました。おそらく4月、5月あたりに記事になったり、よいお知らせができたりするだろうと思います。思えば昨年春からほとんどニンゲンに会わない1年でしたが、やはりディスカッションすることでこそ起こるであろう化学反応もあって、楽しいものですね。またニンゲンに会いたいです。……ちょっとUMAっぽさがあるな自分。

 

(以下宣伝です)

2月22日、新刊『タロットであの人の気持ちがわかる本』が説話社より発売されました。神保町の書泉グランデ様ではメッセージつきのものも置かせていただき、たくさんの方に手に取っていただいたことを心より感謝申し上げます。

この本はタロット×ビブリオマンシーの本で、正位置で「あの人の気持ち」を、逆位置で「アドバイス」を占うことができる、というちょっと変わった仕掛けがあります。お相手は片思いのお相手でも、パートナーでも、上司や友達でも、誰でも大丈夫。くるくる回して、ぜひ使い倒してください。占いを「使う」というのは、私がずっと重視しているテーマであり、こうしてかたちにできたことをとても嬉しく思います。ぜひ、ご活用ください。

 上記の発売にあたって、プレゼントキャンペーンも実施中です。私の私物入り束見本が当たるという誰得な賞もあるのですが、ぜひふるってご応募ください。

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