「ちょうど一年前に……」と誰かが口にすると、必ず誰かが「この道を通った夜〜」とムーディーに歌い出す――
会議中にせよ雑談中にせよ、この流れに至るのはもう日本人のDNAに深く深く刻まれた性(さが)であるわけで……というのは皆様もご存知の事実であろうと思うのですが、ちょうど一ヵ月前に6月21日にかに座で日食(新月)がありました。そして2020年7月21日、ふたたびかに座で日食が起こります。この一ヵ月、空においてもいろいろな動きがありました。日食からほどなくして金星逆行が終わり、水星逆行が始まって終わる。心がぐらぐらと揺さぶられるようなこともあったかもしれませんが、それもこのかに座日食からかに座新月への、1ヵ月のあいだに「起こる意味があったこと」なのかもしれません。
というのも、かに座日食のテーマは「原点回帰」。軸足を置く場所、“ホーム”と呼べる場所を作っていくために、自分自身に帰っていくというものでした。詳しくは、よろしければ下記もご参照ください。
自分の原点に帰るという営みは、シンプルなようで難しいものです。私たちは毎日を生きながら、薄い紙をていねいに貼り重ねるようにして、経験や思考を厚くしていきます。学びながら、考えながら変わっていきます。後ろを振り向くよりも前を見ないと日々のタスクはこなせないし、ときには選択を間違ってしまうこともある。原点に帰ろうとしたとき「ほんとうは、大事なものは、違うのかもしれない」という揺さぶりが生まれるのは、当然のことなのですね。自分が今、離さないようにぎゅっと握りしめているものを、大事にしていればいるほど。でも、揺さぶられながらしっかりと「ほんとうに大事なもの」を探していけるのが、この1ヵ月だったのですね。
今回の新月は、制限と試練の星・土星と、オポジションという配置で起こります。自分のほんとうの気持ちを抑え、暗いところにずっと閉じ込めてきた人は、そうする自分を「もういいよ」と、解放してあげられるのではないかと思います。もう我慢しなくていいよ。まっさらの自分に戻って、またやっていこうよと。
これはただのリスタートではありません。自分を制限する、押し込めるような時期を経たからこそできる、力強い「軸足の置き直し」なんですね。暗く冷たい場所まで、とことん深く潜らないと見えてこないものがあります。孤独を舐め尽くしたからこそ、わかることもあります。打ちひしがれても、「また傷つくくらいならもう何もいらない」と思ったとしても、それでもやっぱり自分の人生を生きたい。同座する水星が、そうした思考をクリアに磨き上げてくれます。そして置かれる軸足こそが、今後の自分のための、純度の高い「はじまり」となるのだろうと思います。そんな、かに座新月です。
どなたにとっても、よい新月となりますように。
それはそうと、ロードは第何章まであったのでしょうか。
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