2019年3月21日朝、太陽がおひつじ座に入ります。春分ですね。星占いではお正月の位置づけですから、これを書いている20日夜などはちょうど紅白を観ながらワクワクと年明けを待つような時間でありま
紅だァーーーーーーーーーーーー！！
ハッ（我に返って）すみません、ついX JAPANファンの血が騒いでしまったゴホンゴホン。ハッいや血といえばあれを忘れてはいけません、1989年にXのメジャーデビューを飾ったアルバム「BLUE BLOOD」。3曲目Week EndはTOSHIが「手首を流れる血をお前の体に絡みつけると」と舐めるように歌い上げ、そしてバッハのフーガト短調が鳴り響く11曲目Rose of Painは「狂気の血とたわむれ」苦しいと絶叫、
ってもう出だしからこの占い師大丈夫なのと不安になってきた方も多いと思うのですが、大丈夫です私はちょっとX JAPANが好きなだけのただの善良な一市民であります。さて春分が起こって約3時間後、それを追うようにてんびん座で満月が起こります。春分と満月が同日に起こるのはなかなか珍しいことで、さらにいえば来月、またてんびん座で満月が起こるのですね。現在は水星逆行中ですが、3月28日にそれが終わると4月11日に木星が逆行をスタートするまでの間、全惑星が巡行となります。そして4月19日、ふたたびてんびん座で満月が起こるという流れになります。節目としても非常に印象的なこの満月ですが、向こう1ヵ月の流れもセットで読んでいくと非常に、役立てやすいのかなと考えております。
てんびん座のテーマは「均衡」です。天秤という道具は片方だけでは機能せず、ゆらゆらと動きながらバランスをとり、その役目を果たします。片方が自分、もう片方が自分以外のものと考えていただくと、今回私が申し上げたいこともご理解いただきやすいだろうと思います。「私とあなた」「私と環境」。そういった、自分と自分以外のものとのベストなバランスを追求し、あらゆることと均衡をとっていくーーそれが、今回の満月において目指したいところです。奇しくも同日起こる春分は、昼と夜の長さが同じタイミング。こちらもバランスを意識せよと、私たちに示唆してくれているのですね。
天秤が片方だけでは機能しないように、私たちはひとりでは生きていけません。社会の一部であることからは逃れられません。どちらかだけが重きを置かれたり軽んじられたりするのは避けたいところですが、現実社会では頻繁に、そうした状況が見られます。
経済も人の感情も常に移り変わるなかで、完全に均衡がとれたまま物事が推移することは不可能です。あるとすれば、死でしょう。私たちは生きている限り、ゆらゆらとバランスをとりながら人に、仕事に、世界に、どの瞬間も真摯に向き合うことを宿命として持っているわけです。そしてときどき、不均衡がもたらすひずみが大きくなったときーーてんびん座満月などを通して周りと調和しながら均衡をとっていくことを、はっと思い出すのだろうと思います。
優しいあなたへ。周りに気を遣いすぎて、ほんとうの自分を閉じ込めてしまっていませんか。誰かのために、ずっと無理を自分に強いていないでしょうか。それは決して悪いことではありません。そこには確かな優しさや愛情、悲しみ、守りたいという願いなど、個々の大切な思いが息づいているのです。希望を手にしたいから、生きていたいからそうしているんです。それでも、人は自分を押し殺し続けると、少しずつ色あせ、乾いていくものです。
満月は、これまでの歩みを振り返るタイミングです。さらにいえば今は水星逆行中ですから、過ぎ去った過去に心のなかで旅をするような人は少なくないでしょう。そのときはぜひ、自分らしく自然体で過ごしていた「あの頃の自分」を思い出してみていただきたいと思います。そして現実がどうであっても、自分らしい自分でいられるように、1ミリでもバランスがとれるほうへと現実を調整していきませんか。今回は、そうした意味合いの満月であるというのが私の見立てです。
未来は自動的に来るもののようでいて、そうではありません。今の自分の選択の結果なんですよね。より自分らしく生きられるパートナーシップを、場所を、仕事を、選んでいきましょう。今は身動きが取れないという方も、可能性を探っていけると素敵です。できる範囲で、大丈夫ですから。
今回の満月はひとつのきっかけとして活かしていただきたいと思いますが、ピンポイントで今だけ、と思わなくて大丈夫です。水星は3月28日に巡行に戻り、そこから4月11日の木星逆行開始まで、星占いで使う惑星すべてが巡行となります。人の心や物事が、スムーズに進みやすいタイミングです。このへんで自分をとんとんと整理するような、そんな心境になれる人は多いでしょう。そして4月19日、ふたたびてんびん座で満月が起こりますので、ここでこの3月21日の満月から意識し始めた均衡の仕上げをすると良いでしょう。
この記事の結びに、私の好きな茨木のり子さんの詩をひとつご紹介します。有名なものですから、ご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか。これは決して、読んでくださっているあなたを叱咤するために引用するわけではありません。私が弱ったときに、読み返すもののひとつとしてご紹介です。均衡がとれる人間関係を、環境を自分の手と足で求めていこうというこのてんびん座満月に、よく似合う詩なのではないかと思います。（凛とした、しかし強い表現です。今は厳しいなと思われる方がいらっしゃったらごめんなさい）
自分の感受性くらい
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志しにすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
どなたにとっても、よい満月となりますように。
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