2019年7月17日、やぎ座で月食が起こります。すぐそばには土星と冥王星。これまで積み上げてきたことが実る、来し方行く末を考えるという満月の意味合いが特にくっきりと強調される月食に、土星と冥王星が光を投げかけて、とても重々しい雰囲気を放っています。
思えばあっという間に半年が過ぎ去った2019年。半月前に下半期がスタートした際は「いやーあっという間だと感じるなんて精神がたるんどるな！！下半期は己を戒めストイックに頑張ろう」とこぶしを握りしめて決意し……たにも関わらず、わずか半月ですっかりキレイさっぱり忘れ去り「えっもう7月も後半！？」と驚きに打ち震えた人も多いのではないでしょうｋ……オレオレ！オレだよ！母さんオレだよ！(∪ ´ω` ) いやもう驚き打ち震えるとはこのことです。「毎日暦を見ては運勢を書いている人間が何を言うか」と思われた方は50億人くらいいそうですけれども、いやもう「度肝を抜かれる」の度肝ってこれかなという感じですよね。俺たちの2018年はこれからだ！くらいにさかのぼりたい気分ですが（いつなんだよ）、きっと人生をもう一度やり直せたとしても私はまるで同じ愚かな人生を歩むのでしょう。私にできることは今日この〆切を守ることくらいで……とこのまま山の中の寺にでも引きこもりそうなことを書いておりますが、とにかく17日に月食が起こります（唐突に話を戻す奴）。
このタイミングでは、2019年1月からの半年間の歩みを振り返ってみたいところです。おそらくですが、自分の目標やライフワークと言えるような仕事、組織のなかで自分が果たす役割について、思いを新たにした人は多いのではないでしょうか。自分はこれをもって、人の役に立ちたい。天職といえる仕事を、こんなふうに極めていきたい。ときに成功を、ときに失敗を経て、私たちはこの半年、たくさんのたくさんの方向性を模索してきました。これまでの価値観や考え方を打ち砕くような、若い頃の思いとはまるで違うビジョンを抱くに至った人も、多いと思います。ぜひ、過去を振り返りつつ、それを見つめてあげてみませんか。
これまで自分にとって「ベスト」や「当たり前」だったことを壊したり、手放したりすることは怖がらなくて大丈夫です。なぜなら、壊すことも「必要な過程」だから。
貯金箱というものがあります、豚さんやポストのかたちをした陶器のものを思い浮かべていただけたらと思います。今「貯金箱といって思い浮かべる絵面が昭和だなこの人」と思った奴は一歩前へ。この釘バットが見えるかい、って言いたいことはそうではなくて、陶器の貯金箱は壊されないことに意味があります。たとえ使ってしまいたいときも、誘惑に負けることなくちゃりんちゃりんと貯めていくことに意義があるのですよね。ただ、それを壊したとき、今度はそのなかのお金と、お金の使いみちに光が当たります。壊れるのは、悪いことでもなんでもないんです。次の可能性を、作っていくことなんですね。
この月食のタイミングで、これまで自分がぎゅっと握りしめていた「ベスト」や「当たり前」がもう、自分にとって必要がなくなっていると気付く人が少なくないだろうと思います。そして、それらに代わるあたらしい価値観というものも、見えてくるのではないかと私は思うのです。貯金箱が壊れることを嘆くより、そのお金を使ってどんな楽しいことができるだろうと考える、それが今です。コツコツと貯金するように努力を積み重ねてきた自分が、方向性にきっと光を当ててくれるはずです。
変わること、壊れること、手放すことを恐れないで。それはきっと、次への扉なのです。半年間、あなたは本当によく頑張ってきましたよね。頑張ったからこそ見える風景というものがあって、今はそれを見つけやすい時期なんです。そして、頑張った自分を尊重するためにも、次への扉に目を向けていけると素敵だろうなあと、私は思います。
どなたにとっても、良い月食となりますように。
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