2021年1月31日、知性とコミュニケーションを司る星・水星が逆行を始めます。皆の者!準備はよいか!!といきなりすぎる謎のノリはともかく、この「準備」というのは「水星逆行におけるマインドセットの準備」と同時に「仲間(とも)たちよ、怯えるでないぞ!」という呼びかけでもあります。(この記事で初めて水星逆行という言葉を目にする方は恐縮です、のちほど詳しくご説明しますが、もし手っ取り早くご覧になりたいときはココロニプロロさんの記事をご参照ください…!)
水星逆行というと、間髪入れずに「やだ」「怖い」「また辛いことが起こるのか」という反応をいただくことは非常に多いです。なぜなら、もっともその影響を実感することが多いのは、コミュニケーションの遅延、行き違いだからなのですね。まあ電車の遅延で「わー!!!」となる人も多いのですが、それは走る・タクる・諦めるのコンボでなんとかできま……まあできないこともありますけどね。しかし大切な人がいて、悩んでいたり不安だったりして、コミュニケーションまで滞ったら……そのしんどさは、私も経験があります。怖い、不安だというお気持ちは共感いたします。
ただ、星は人を苦しめるために逆行するわけではありません。「何もかもうまくいかない凶の時期」ではなく、「コミュニケーションが鈍る時期」というだけなんですね。そこで思いつめて焦って、着信1万件とか残してしまうと結果は「凶」と呼べる状態になってしまうことが多いでしょう。嬉しいな、気分がいいなと思うことばかりではないにしても「そういう時期」と思って今できることをする。占いをする意味のひとつは、こんなふうに「そういう時期なのか、じゃあこうしよう」と考えるところにあると私は思います。知っているから落ち着ける。自分はわけのわからない運命の渦にもみくちゃにされているわけじゃないんだ、こういう時期であり、ここを過ぎたらまた向き合えるときが来ると思えると見通しを立てることが「自分の人生を生きる」ということなのです。
水星逆行が嫌いだ、不安だとおっしゃる方が、どれほど怖い思いをなさったか。ひとりぼっちで辛い思いに耐えていらしたか。自身の体験と重ね合わせて想像すると、あの頃の胸の痛みがありありと蘇ってきます。スマホを見ることが、同時に連絡がないことを突きつけられる意味を持ってしまうことが、耐え難く感じていました。でも、ただ振り回されるだけではなく、「そういう時期なのだ」と意味を持っていると「知る」ことで、人生はいささかしのぎやすくなります。
だから、ご自分が悪いのだろうかとか、お先真っ暗なのだろうかとか、まだ起こっても事実と決まったわけでもないことをあれこれ想像したりしないで「そういう時期ならしょうがない」と思えるようにマインドセットしておくことをお勧めしています。私たちは振り回されるために生きているわけじゃないです、幸せになるために生きているわけです。心を丈夫にしていきましょう。
そろそろ「この調子では前置きを読んでいる間に水星逆行期間が終わるのではないか」と不安になってきた方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。ここから書きます。
今回の逆行は2021年2月21日までです。
水星逆行時は、コミュニケーションの停滞という形で不調を感じる人が多いようです。この停滞というのは、具体的には
といった感じでしょうか。逆行開始日・終了日の前後は影響が強く出がちなので、特に注意が必要です。また、これらは全人類が感じる・やらかすということではなく、まったく感じない人もいます。たとえば水星逆行中に生まれた人などは、水星逆行中のほうがノリノリ、なんてこともあるようです。何も感じないから不安になる必要はまったくありません。
さて、今回の水星逆行は、みずがめ座で起こります。個人間のコミュニケーションにおけるインシデントとは別に、こちらの流れでも解説しておきましょう。
みずがめ座では2020年末にグレート・コンジャンクションが起こり、そのまま木星と土星が滞在しています。そこで起こる水星逆行ということで、昨年末あたりからあなたのなかに宿り始めた新しい感情や、力を入れ始めたコミュニケーションにおいて遅延、行き違いが発生することは増えるかもしれません。
またみずがめ座ならではの、あらゆる規範を問い直す自由と、差別を憎み平等を目指す心、画期的なテクノロジーといったあたりは、ちょっと前に進む速度が鈍ったり、レスポンスが悪かったり、時計を巻き戻して検討しよう…的なことが起こるかもしれません。
ただ、個人的なこと・社会的なこと双方に言えることではありますが、水星逆行というのは「悪いことばかりが起こる凶の時期」ではありません。ここまでガーッと突っ走ってきたなかで見えなくなっていたことに気づけたり、いつもと違うコミュニケーションのなかで改めて付き合い方を振り返る、などということもできるでしょう。「過去」とつながりがある時期なので、過去に残った遺恨を解消できる人、思い残したことをやりきれる人もいます。なつかしい人に再会する、関係性が復活するというのも、水星逆行時に多く起こるイベントです。私も、かつてだめになったと思っていた人と、不思議な巡り合わせで再会し、それまでの違和感を一掃した経験があります。柔らかく、優しい光に満ちた20日あまりの日々は、今でもよく思い出します。
人生がそうであるように、水星逆行時も悪いことばかりではありません。だから「そういう時期」と思いつつ、少し胸のなかを冷静にして目の前のことと向き合っていけるとよろしいかと思います。
どなたも、それぞれに、有意義な水星逆行期間でありますように。
あっ、あとスマホ・PCのバックアップはやっておきましょうね😊
(特に教訓のない近況)
例の秘宝館(前回の記事を参照のこと)のその後についてご質問をいくつかいただきました。溜めに溜めたおもしろ画像が増えすぎて秘宝館5にまでなったのですが、そもそもなぜファイルサーバ(共有サーバ)に上げていたのか。当時、仕事で悲しいことがあった部下に対し、上長なりに力になりたいと思ったのが始まりでした。元気を出せとファイルを共有したところ、即元気を取り戻した部下。自発的に案件に取り組めという自走式の部署を目指していたことが災いイヤ幸いし、彼女が自分のお気に入りのおもしろ画像をそこに保存し始めたのです。そしていつしか他の部下もそれに倣うように……。当時「ファイルサーバに新規データを格納しました!」「確認します!」というやり取りはすべて秘宝館関連でしたよね。
メンバー全員が一丸となって蒐集を続けた結果、わずか30枚ほどの画像からスタートした秘宝館は秘宝館5にまで成長。しかし終わりの日は突然やってきたのでした。会社側がファイルサーバの容量が足りないと調査に入り、「あそこの部署だけすごい容量をくってる」と……。怒られが発生し泣く泣く個人PCに入れたのですが、退職時にバタバタしすぎて散逸。秘宝館は平成の夢と消えたのでした。どんな物事も、いつまでもあると思っていてはいけない。一瞬一瞬を目に焼き付けておかなければいけないんだ――と、痛感した出来事でした。
当時のお気に入り画像のひとつです。
(出版のお知らせ)
2月22日、2並びの日に新刊『タロットであの人の気持ちがわかる本』が出ます。パートナーから気になる人、上司、同僚、友達まで、「あの人」の気持ちを占える本で、タロットカードを持っていなくても、カードの意味を調べなくても、お相手の生年月日がわからなくても、手にとったその日から占えます。ひっくり返して読むなど、ちょっと変わった仕掛けも。
本書は雑誌「マイカレンダー」2020年秋号でかたちになった構想5年(長いよ)の企画に、かなりの加筆を重ねて完成しました。ずっとずっと、「こういう本があると、悩める方のお力になれるのではないか」と思って心のなかで温めてきた企画です。ぜひ、お手にとってご覧いただけましたら幸いです。