占い師・真木あかりのブログ

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「正月の孤独」にやられないために。

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過ぎた1年を振り返り、新しい1年に思いをはせる年末年始。誰もが輝かしい未来に向けて胸をいっぱいにしているようで、孤独で辛くなってしまう方もとても多い時期です。クリスマスから年始にかけては、そういう時期なんですね。何が辛いのか、例を挙げるのは難しいことではないのですが、ここでは触れずにいましょう。大事なのは具体例を挙げることではなく「どうすればお正月の期間、辛さのなかに自ら突っ込んでいくようなことをせずに済むか」です。

どなたにもあてはまる記事ではないと思います。ただ、この時期、孤独で辛い状況にある方が今をしのげるよう、「正月の孤独」対策をまとめてみたいと思います。

 

年末年始は孤独感がひときわ強く感じられる、その主たる原因は「周りが幸せそうに見える」ことと「時間がある」、このふたつに尽きます。誰しも「人には見せなくても、誰もがそれぞれに悩みを抱えている」ということはわかっているんです。それでも、年賀状の笑顔やSNSでの元気そうな様子といったものは、まぶしく見えます。「どうして自分だけがこんな思いをしなければならないんだろう」と思ってしまいます。

時間がある、ということもまずいのです。普段は仕事や習い事、ショッピングなどで気が紛れる出来事も多く、辛い状況にあってもなんとか自分らしさを保てているんです。しかしお正月休みでたくさん時間があると、普段はやるべきことが多くて分散しているエネルギーが全部、辛いと感じている出来事に向かいます。寝ても覚めても悩みが頭を離れないという方もおられますし、急にわーっと孤独感に襲われてネガティブになってしまう、という方もおられます。

対策としては、下記の4つが重要になってくると思います。1〜3は基本姿勢、4は必要であればやるといいアクションという感じです。

 

1.理屈でなんとかしようとしすぎない

「孤独なのは自分だけじゃない」
「孤独が人を強くする」
「孤独を楽しめばいい」

といったことは、一般的によく言われていることです。孤独力がうんたら、という本を読むとだいたい、そういったことが書いてあります。確かに事実ではあるんですが、こういった理屈というのは、「立ち直ったときにやっと言えるセリフ」でいいと私は思っています。ボロボロの状態から這い上がって、なんとか生きていける確信を得て、元気が出てから理解できるんです。孤独を感じている最中にこういった言葉で納得しようと思ったら、自分の本心に向かって「それは間違ってるよ」「そんなんじゃダメだよ」と言っているのと同じです。もう今が辛いのに、それってあんまりじゃないですか。

もちろん、冒頭の言葉で辛いのが治ったならオッケーです。お雑煮におもちを余分に入れて、モリモリ食べてお正月を楽しみましょう。ただ、

「みんなそれぞれに孤独だとしても、今は辛いんだ」
「強くなることよりも、今は辛いことのほうが大変なんだ」
「楽しむ元気も余裕もないんだ」

そう感じたら、それが「ほんとう」なのであり、まずは大事にすべきところです。強い誰かのセリフに、無理に合わせようとしないことです。

 

2.孤独にさせるモノから離れる

年賀状を見て辛くなるなら、見なくてOKです。送っていない人から来ていたら返信しないと、なんて思わなくて大丈夫。そんなのは元気になった頃に「ごめんね〜」と連絡すれば充分なんです。もしあなたの友達が、自分の辛さを押し殺して返信しようと頑張っていたら、「そんなのあとでいいから、むしろやんなくてもいいから、休んでよ!」って言いますよね。そういうものです。

Facebookも、辛くなるなら「今年は見ない」と決めましょう。特に、悩みの原因となっている人のタイムラインやコメント欄をずっと追ってしまったり、写真を拡大して情報を読み取ろうとしたり、いいねを押した人のプロフや写真をさかのぼって見たりしがちなら特に、見ないでいることが「正月の孤独」から心を守ります。辛いし気になるお気持ちはわかります。でも見たら最後、想像力はネガティブなほうにしか発揮されません。それが人を苦しめるのです。

ひとりでいるのは淋しいからと、友達に会うときも人選はしっかりと。いくらいい人でも、大雑把すぎる一般論でまとめてくるようなメンタリティは今はきついですよ。「みんな悩みはあるよ!」的な人は、元気になってから付き合いましょう。

 

3.理由を見つけようとしない

「どうして自分だけがこんなに辛い思いをしなければいけないんだろう」
「なぜ自分は大切にしてもらえないのだろう」

といった疑問が次々に頭に浮かんできたならば、理由探しのスイッチをぱちんと切りましょう。どんなに考えても、納得はできないんです。納得したいんじゃなくて、辛い状況から抜け出したいというのが本音なのだから、理由なんて本当はどうでもいいんです。そしてこうしたときに思いつく「理由らしきもの」は、ほぼ100%が「自分を不当に苦しめる、ネガティブな思い込み」です。

そもそもが極端化した、認知の歪みをともなう疑問である――ということは、今は言わずにおきましょう。この疑問が浮かぶというのが、今の「ほんとう」であって、それは理屈ではどうにもならないから。でも、本当でないうえに自分を苦しめる“理由”を、延々と生み出しては自分に突きつけたら、自分がかわいそうです。

理由なんて探さなくていいです。元気になったら、それを叶える「方法」を、考えていきましょう。

 

4.感情を吐き出す

感情は、それがブラックなものであればあるほど、「そんなことを考えてはいけない」「こんなふうに思うなんて、汚いことだ」などと押さえつけてしまうと、行き場をなくして自分をむしばむ毒になります。というわけで、「正月の孤独」はどんどん吐き出していきましょう。

紙に書き出したり、ひとりになってブツブツつぶやいたりするのが良いのですが、相手がいるならその人に向けて「出さない手紙」を書くのもおすすめです。かっこつけなくていいので、ガチな本音を書くことが大事です。「お前を蝋人形にしてやろうか」とかね。書いたら封をして、燃やすか捨てるかします。

 

 

感情は出したほうがいいです。考えちゃダメだと思えば思うほど浮かんできますし、抑えてもどこかでまた、より強く出てきます。そもそも、どんな感情も大事な自分の一部です。消そうとしたり否定したりしないほうが良いのです。

先日、phaさんのしないことリスト (だいわ文庫)という本を読んだのですが、「感情を殺さない」という章で紹介されていた「『俺はもうダメだ』という儀式」が個人的にすごく良いと思ったのでご紹介しましょう。

すごく気分が落ち込んで「もう何もかもダメだ」「死にたい」という気分になったときに、床に仰向けに寝転んで手足をバタバタさせたり、髪の毛を両手でかきむしったりしながら「ウオーッ、俺はもうダメだッ、どうすればいいんだッ」と何回も口に出す、という行為だ。

本当にダメな気分のとき、これをやると少しだけ気分が持ち直すというのだ。たしかに、やってみるとちょっとだけ気分がスッとしてマシになる感じがする。

(中略)

愚痴とか弱音とか号泣とか、そうした感情にまつわる行為が、人間にはときどき必要だ。しんどくなったら我慢せずに、泣いたり叫んだり、手足をバタバタさせたりしよう。

しないことリスト (だいわ文庫)

しないことリスト (だいわ文庫)

  • 作者:pha
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2018/09/12
  • メディア: 文庫
 

 

曰く、「俺はもうダメだ」の儀式はガス抜きなんですね。人は非合理な感情を持つものであり、澱んだ感情は出さずに溜めているとそのうち爆発してしまう。だから、苦しくなったときはみっともなくても構わないから無茶苦茶になって感情を放出してみるのがいい、というわけです。

「正月の孤独」をやり過ごすのが目的であれば、かなり良い方法ではないでしょうか。根本的な解決をするには、また別のアクションをしなければならないことも事実です。でも、元気がなければそもそもアクションもできないわけです。もし、ひとりの時間がとれるのならば、ちょっとやってみてもいいかもしれません。

 

 

「正月の孤独」はものすごくしんどいものですが、永遠に続くものではないんですよね。だから全力で辛いほうに突っ込んでいくようなことをせず、まずは抜けるために全力を尽くすことが大事です。根本的解決はそれからで充分です。特に恋愛・結婚系のお悩みを抱えている人は、2は重要ですよ。「でも、仕事関連の人からの連絡も来るかもしれないから、SNSは見なくちゃ」と反論される方も多いのです。その責任感は大事ですけれども、あなたが心を殺さずにいること以上に大事なことなんて、ひとつもないと私は思います。あなたを守れるのはあなただけです。私が申し上げなくても、わかっておいでとは思いますけれども。

 

 

この記事を書いたのは、ゲーテの『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代〈上〉 (岩波文庫)』という本の「涙ながらにパンを食べ、悲しみに満てる夜を、寝もやらで、泣き明かしたこともなき者は、天なるみ力よ、おんみらを知らず」という一節を思い出したためです。この一節はおそらく「涙とともにパンを食べたものでなければ、人生の味はわからない」という意訳としてよく知られているものかな…?と思います。この言葉だけで独立してどこかで語られているのかもしれませんが(すみません)。

かつての私はこの言葉を読んでも「人生の味なんてものがわかるようになっても、何にもならない。ただ、今、涙を流しているこの状況が辛くてたまらなくて、この孤独を消すもの以外に価値なんてないんだ」と思っていました。今になってしみじみと、良いフレーズだと噛みしめるのですが、それは私が孤独な時期を乗り越えられたからなのでしょう。ただ、非合理で無力で、泣くしかできなかったかつての自分のことを、忘れてはいけないと思っています。人間にはふと落とし穴にはまるかのように、そうした非合理な時期が訪れるから。どんなに注意していても、幸せになりたいと思っていても。だから、書きました。

 

 

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