2019年8月30日、おとめ座新月。自分に嘘をつかないように、胸を曇らせることのないように。

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2019年8月30日、おとめ座で新月が起こります。今、おとめ座には月、太陽、水星、金星、火星という近い星々が入り、ステリウムになっています。さらに天王星はおうし座に、土星と冥王星はやぎ座にと、地の星座がくっきりはっきりとしていて気持ちがいいくらい。星占いで使う星10個のうち8個が地の星座って、いやもう紅白歌合戦が23時頃までずっとX JAPANみたいなものですね。もうずっと紅。紅の次は紅。ってもう何を言っているのか意味不明ですがそういう時期となります（雑なまとめ）。

新月、というと「スタート」のときですから何かを始めようと思ったり、気持ちをリセットしたり、叶えたい願いを胸に抱いたりと、少し現実を飛び越えていくような期待を抱く人は多いかもしれません。今回はそうした思いはありつつも、誰もがどこかしっかりと地に足がついた、純度の高いまっすぐな思いを胸に宿して現実を見ていく、周囲の人や状況とベストな折り合いをつけていく、そういう傾向が強いだろうと私は考えています。愛でも、仕事でも、対人関係でも。

ヤマシタトモコさんの『HER』という作品を私は愛しているのですが、そのなかにこんな一文があります。

あと何万年生きたって悩まない日はないし
誰が隣にいても孤独じゃなくなる日は来ないから

（ヤマシタトモコ『HER』祥伝社）

多くの人が「この悩みから開放されたらどんなにか幸せだろう」と想像し、誰もが「孤独で淋しい人生は避けたい」と考えます。それでも私たちが生きている限り、悩みが尽きることはありません。ひとつ解決したらまたひとつ。それが世の常です。孤独感も、ひとりの夜だけでなく人混みなかにいる白昼にだって訪れることがあります。ひとりで感じる孤独も辛いものですが、ふたりなのに感じてしまう孤独というのはまた別の苦しみを伴ったりもします。

悩みなんてなくならない。孤独感はいつ訪れるかわからない。それでも私たちは、社会のなかで、組織のなかで、家族というかたちのなかで、人に揉まれながら生きていきます。それぞれの役割を果たし、できうる限りの努力をし、孤独を飼いならし、誠心誠意ニンゲンをやっていくわけですね。誰と比べるでもなく、自分が自分に嘘をつかないでいられるように。胸のなかを曇らせずに済むように。そうした勇敢かつ実直な思いこそが、この新月では星々の後押しを得られるのではないかと思います。

この新月は、逆行中の天王星とトラインというかたちをとります。自分を変えるために、一歩踏み出したいという方にとっても意義のある第一歩となりそうですね。変化と安定は逆のもののようで、矛盾はしません。人は本能的に変化を恐れますが、成長は変化なくしては訪れないのです。そして成長するからこそ安定した人生も得やすくなるわけで、絶えず変化することが安定への道だったりもします。どちらも求めやすいのが、このおとめ座新月のタイミングとなるでしょう。努力も長続きしやすいはずですよ。

また、人を助けたい、力になりたいという思いが強まる人もいるでしょう。その場合は「これをしてあげたら……」ということは、思わずにいること。思わずにいられる程度の助力にしておくのもいいでしょう。どうしても見返りを求める気持ちが生まれるのであれば、それはそれで大丈夫。その気持ちに善悪はありません。ただ、運という観点から見るのであれば、その人に期待をかけるよりも、その労力や時間を自分のために使ってあげると運は良くなります。あなたが切実に欲しがっていることを、誰かに期待して不安定にしないほうが良いのです。

そう、自分メンテもこの新月期の重要なポイント。お疲れが溜まっている人は、休息に時間を使いましょう。おなかにきやすい時期でもあるので、飲んで食ってストレス解消！　というのは避けたほうがベター。好きなものを適度に食べて、おふろに入ってリラックスして、うんと眠れると素敵です。あなたがちゃんと健やかに過ごしていることが、何よりも大切なことです。それでこそ、凸凹だらけの毎日でも、しっかりニンゲンをやっていけるというものです。

余談ですが、こうした「みんな」にも目が向くタイミングというのは、独特の息苦しさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。苦しくするために書いたつもりはないのですが、私が愛する本『叶恭子の知のジュエリー12ヵ月』の一節をご紹介したいと思います。胸のなかを曇らせずに現実を生きていくためには、こうしたことがとても大切なのではないかと、私はよく考えています。