2019年6月3日、ふたご座で新月が起こります。この新月の対岸ではいて座に滞在している木星が輝いており、またうお座の海王星がスクエアという形で絡んできます。
語り始める、人は多いのだろうと思います。自分が思っていることを、自分のことばで、自分が選んだ人に語り始める。実際に誰かに話を聞いてもらう人もいれば、会ったことはなくとも信頼できる誰かや、いつも自分のなかにいる想像上の存在をそっと心に浮かび上がらせる人もいるのでしょう。今は遠く離れている大切な人を思いながら、言葉を虚空に放つ人も。
相手に届くかどうか、はあまり気にしなくても大丈夫です。それよりも、今は自分の飾らない心を何かに向けて、言葉にすることが大切です。そうすることが茫洋とした不安に絡め取られることなく、私達の未来を広げてくれるのだろうと思います。
これからどうなってしまうのだろう。あの人は何を考えているのだろう。もしかしてだめになってしまうのかもしれない。人は想像力という素晴らしい能力を持っていますが、それが自分を少しずつ蝕んでいくこともあるのは事実です。芥川龍之介が遺した「僕の将来に対する唯ぼんやりした不安」という言葉やサマセット・モームが書いた「人を殺すのは記憶の重み」という言葉ではありませんが、ときおり想像力に潰されることもまた、あります。そんなときに私たちに必要なのは現実を見て行動することであり、今回の新月の場合は「語り始める」ことになるのだろうと思います。
思うに、不安やネガティブ思考といったものは、決して悪いものではありません。それらがあるから私たちは起こりうることを予測してリスクヘッジができるし、健康や生活を適正に維持することもしやすくなるわけです。「ストロングゼロを2本飲むのはさすがにまずいな。1本にしよう」とかなるのですね。ただ、それに絡め取られちゃいけない。いやその、ストロングゼロではなく不安やネガティブ思考に。とはいえ「絡め取られないようにしよう！！！！！」といくら思っても、心は余計に不安になるものです。意思の強さじゃない。茫洋とした不安を見える化し、整理して、どうにかできる道を探していくことが大事なんですね。
それが、今回の新月の場合は言葉にすること、語ることではなかろうかと私は思うのです。
なお、これはすべての人に当てはまることではないと思いますが――呼びかける相手がいなかったとしても、そのことで自分を傷つける必要はありませんよ。呼びかけたくとも手が届かないことで、痛みを伴う記憶を引っ張り出す必要もありません。せっかく今をもっと良くしたいと願ってこのブログをご覧いただいているのに、わざわざ心をいじめなくても大丈夫です。そんなときは、一番近くにいる味方に、そっと話しかけてみると良いですね。そう、それは自分です。一番近くにいる、一番の味方に、そっと。
どなたにとっても、良い新月になりますように。
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sweet特別編集 占いBOOK 2019下半期にて「未来新聞」というコーナーに出ています。
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