2017年10月10日、てんびん座の木星がさそり座に移動しました。世の中的に「バランス」が強調されていたてんびん座時代から、さそり座へ移動することでどう変わるのか。星座ごとの運勢については以前書かせていただきましたが、ここから向こう1年くらいの間、見えないものへの関心、外界への拡大よりは内側への深い洞察といったものに目が向かう人はとても多くなると思います。好き嫌いにとどまらない深い愛情、たとえば縁や情、自分の奥深くに隠された願いと向き合うような思いをする人も多いでしょうね。スピリチュアルは長くブームが続いていますが、ここから命や魂など、目には見えないものにより多くの関心が向けられるようになるかもしれません。
木星は「幸運と拡大の星」「天のサンタクロース」などと呼ばれるベネフィック(吉星)ですが、その現れ方というのは人それぞれです。たとえばパートナーシップでいうなら、木星が巡ってくる時期に結婚する人もいれば、離婚を余儀なくされる人もいます。吉星なのにおかしいじゃないか、辛いことばかりじゃないかと疑問に思われる方からのご質問もよくいただきますが、たとえば本心からでない行動、どこか他人任せにしていたこと……このまま進み続けるのではなく、少し立ち止まったほうが良い状況のときは、ショッキングな出来事が起こることもあります(絶対起こるわけではありません)。
誰もが頑張って生きています。本心からでない行動ですら、他人まかせでやっているときですら、そこに傾ける力や思いはそれなりにあります。意に沿わないことが起こったとき「頑張ったのにどうして」と思う人ほど、努力の幅はとてもとても、大きかったのだろうと思います。でも、険しい山のなかでがんばって歩いて、気づかないうちに方向を誤ってしまったとき「進入禁止」の立て札がわたしたちの歩みを止めてくれるように、頑張っている最中にもストッパーが「あったほうがいい」ときもあります。そして少し戻って、正しい分かれ道を行くことができれば、見晴らしの良い場所や花が咲き乱れる野原など、良い場所にたどり着けるのではないでしょうか。頑張ったことそのものは消えません。そして「確認しながら進もう」という教訓や「くまに遭わなくてよかった」という安堵を得られるなど、私たちの心の栄養になることもあるだろうと思います。それが、今後の人生のどこかで役立つことで、長い時間をかけて「よいこと」になることもまた、あるはずです。
こんなことを書くと、ベネフィックについて書いているのにまったく良いことがないように聞こえてしまうかもしれません。が、もちろんそうではありません。さそり座木星期、誰もがじっくりと物事や自分の見えない部分に関心を向ける時期です。楽しいことばかりではないにせよ、自分が本当に望んでいたことを、選び直すことができる人も多いでしょう。木星が照らし出す物事を見つめつつ「きっとよくできる」「もっとおもしろくできる」と思ってみていただくことが、大切なのかなと思います。
それぞれの星座ごとの運勢は、下半期の占いに書かせていただきましたので、ご参考になさってください。
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