占い師・真木あかりのブログ

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泣くことの効用

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ここしばらく、ずっと「泣くことの意味」を考えていました。泣くシーンはいろいろあると思いますが、ここでは悲しくてひとりそっと泣く、そんな「泣く」を想定しています。

泣くとスッキリする、ということについては、心理学の分野でもさまざまな研究が行われています。たとえば科学的な観点ですね。これはおもしろい。涙にはさまざまな成分が含まれていますが、副腎皮質ホルモンのコルチゾールをはじめとしたストレス物質がそのひとつなんだそうですね。それが排出されるからスッキリするのだと言われると「お、おう」となんとなく納得できる気がしてくるものです(笑)。心の痛みを抱える人にとっては、カタルシス効果というのが一番、“腑に落ちる”感覚があるかもしれません。ギリシャ語で「浄化」を意味する言葉で、抑圧された感情を表に出すことで心の緊張を解くことを指します。

大人になると、私たちはさまざまな方法で「悲しみに折り合いをつけていく方法」を身に着けていきます。日々起こるいろいろなことから身を守るための処世術、と言えるかもしれません。頑張りながら、しんどい思いをしながら、なんとか平常心でいるためにちょっとずつ慣れていくのですよね。人生、楽しいことばかりじゃないとか、私だけじゃなくてみんな辛い思いをしているんだとか、それでも大切なひとのためにとかーー。人前では笑顔でいるために、誰かに心配をかけないために、秘密を守り通すために、自分を抑圧することを無意識に選ぶ人は多いものです。だからこそ、世の中の秩序は保たれているのかもしれませんが。

ただ、抑圧というものはずっと続けていると、悪くすると絶望に変わります。その切り替わりのポイントとして「泣けない」というのがあるんじゃないかなと、私は考えています。私自身も体験がありますが、深く深く絶望していくと、あるポイントから感情がなくなるのですよね。心が乾いたぱさぱさの砂のようになって、悲しいけれども泣かなくなります。泣いても、なんとかできるようになります。悲しみに耐えうる強さを得た!成長した!という気になるものですが、その一方で、嬉しいことも楽しいことも、何も感じなくなります。世界が色彩をうしなっていくのです。においを、味を、あらゆる感覚を失っていくのです。(もちろん、本当に立ち直っていく人もおられるわけで、それは素晴らしいことだと思います)

映画や小説、またはネットで出会うさまざまなテキストに触れて、感動で涙が止まらなかった。そういう体験を持つ人は多いだろうと思います。ストーリーに深く没入して、という場合もあると思いますが、自分の辛い体験を重ね合わせて流す涙はカタルシス効果が期待できます。

大人であればあるほど、抑圧するのがうまくなります。それで物事が円滑に進むことは多いのです。やさしい人ほど、そうすることを選びもするのですよね。そのことの是非は、「ちゃんと発言したほうが組織がよくなるのに」といった類のことは、ここでは問わずにいましょうーーそのうえで、ですが、どこかでちょっとずつカタルシスを得られるようなことをしていったほうが、自分のやさしい部分をただただすり減らすためだけに毎日を使うようなことにならずに済むのだろうと思います。ああ自分は今乾いた砂だと思うことがあったなら、敢えて「物語」に触れて能動的に泣くことを大切にしてみるとよろしいのではないでしょうか。ただただ、自分のために。

そしてできれば、占い師として申し上げるならば、もしも泣けたときには、ご自分に言ってあげてください。「今まで辛かったね。がんばってくれてありがとうね。幸せになろうね」と。そうやって自分を受容してあげるだけで、運気は好転しやすくなります。次のストーリーも、作っていけるのではないかと思います。

ちなみに私が最近泣いた作品は……ということで、ふと我が人生を思い返してみたのですが、これがイヤんなっちゃうほど忘れているものですね(トシかな・笑)思い出せる限り、列挙してみたいと思います。大好きなものばかりです。ちょっといいかもな、と思う作品があったならぜひ触れてみてはいかがでしょうか。あとから思いついたら、また追加していきますね。

 

あなたは、誰かの大切な人 (講談社文庫)
 

非常に読みやすくて、疲れ果てたときにもスッと心に入ってきます。酸いも甘いも噛み分けた、大人の女性(特に独身の方)に「いろいろな生き方があるよ、大丈夫だよ。生きているのも悪くないよ」と、隣でやさしく寄り添ってくれるような作品と思いました。許しと受容。カフェで読んでえらいこと泣いてしまいました。トッコ……!

 

ちいさなかみさま

ちいさなかみさま

 

光が見えない方に、と思います。人生のどこかで立ち止まってしまったけれど、光を見つけて生きていく人のエピソードがたくさん書かれています。実は雑誌連載時のほうがひりひりした痛みがそのままで、思い出すだけで涙ぐんでしまうほどです。ページは切り取っておいてあるのだけど、ディレクターズ・カット版みたいな感じで出ないだろうか。

 

うせもの宿 1 (フラワーコミックスアルファ)

うせもの宿 1 (フラワーコミックスアルファ)

 

 さまざまな立場の人の視線を通して、人生の意味を考えさせてくれる作品だと思います。人を大切に想う純粋性に胸を打たれます。今からでも、生きるのに遅すぎることはないのだと、涙をこぼしました。

 

さよならソルシエ 1 (フラワーコミックスアルファ)

さよならソルシエ 1 (フラワーコミックスアルファ)

 

うせもの宿』の穂積さんの作品。画家のゴッホをめぐるストーリーです。生きづらさを感じている人に勇気を与えるんじゃないだろうか。テオがカッコよすぎてキュンキュンしつつ泣いたわ。

 

大人の迷子たち

大人の迷子たち

 

 コピーライターとして活躍した故・岩崎俊一さんのエッセイ集。この人のコピーに出会って、私はコピーというのは人生の何気ない一瞬にはっとするほどの光を当てて、かけがえのない宝物にするものなのだなと感じました。「花を育てるようになると雨が好きになる」「年賀状は、贈り物だと思う。」は岩崎俊一さんのコピーです。

 

平家物語 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集09)
 

二位の尼安徳天皇を抱いて 「波の下にも都がさぶらふぞ」と入水するシーンで滂沱の涙……。デニーズでえらいこと泣いてしもうた。そこには絶望しかないのに、小さな子どもになおも希望を抱かせようとするプロ意識にむちゃくちゃ泣いた、ような気がする。

 

 

 

ダーリンは70歳 (コミックス単行本)
 

西原先生は9割笑い、でも残りの1割で超絶泣かせにかかってくるからズルい。大好きです。西原先生のような人になりたい、と思います。

 

あー、あと『ドラえもん』のおばあちゃんネタとドラえもんが未来に帰っちゃうネタ、大長編のジャイアンはいつ読んでも泣けるw ほか、絵本では佐野洋子さんの『100万回生きたねこ』なんかは、タイトルが「死んだ」じゃなくて「生きた」という部分だけでももう泣けてきます。いやですねトシをとると涙もろくなっちゃってもうね。

 

さんざんいろいろな本を読んで泣いた気がしますが、いざ思い出してみるとなかなかないもんですね。人生の折々で、カタルシスのポイントというのも変わってくる気がします。作家、漫画家、あと広くいえば画家や作詞家、音楽家のみなさんもですね、私に泣くチャンスを与えてくれてありがとうと、思う今日このごろです。

 

 

 

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